【今更聞けない】クラウドストレージがバックアップとして使用できない理由5つ

 

こんにちは、BackStore チームです。

不安定な気候が続きますが、いかがおすごしでしょうか。

 

さて、今回は「今更聞けないバックアップシリーズ」第2弾として、「ファイル共有目的のクラウドストレージがバックアップとして使用できない理由」についてご説明したいと思います。
(広義にはクラウドバックアップもクラウドストレージですが、ここでいう「クラウドストレージ」は、Dropbox や box、Google ドライブなどのファイル共有目的のサービスを指します)

個人利用であれば、大切な旅行の写真だけクラウドストレージに入れてバックアップ代わりにすることが可能かもしれません。ですが企業利用となると、話は違います。

ポイントは下記の点になります。

  1.  目的の違い
  2.  継続的なバックアップができない可能性
  3.  ファイルが削除される危険性
  4.  負荷と容量の圧迫
  5.  セキュリティ

その1.  目的の違い

 

クラウドストレージとバックアップは、そもそもサービスの目的が異なります。

クラウドストレージの主な目的は、「業務の効率化」です。業務の効率化は、「権限を持った複数人が、いつでもどの機器からでも、最新のファイルにアクセスできるようにする」ことによって果たされます。

バックアップは「業務の継続」です。「有事の際に、バックアップ先に保存された特定のデータを復元できるようにする」ことで果たされます。

 

単純化すれば、クラウドストレージは「他の人や他のデバイスとの共有場所」、バックアップは「いざというときの保管場所」です。

どちらがより優れている、ということではありません。この目的の異なる 2 つを共存させ、使い分けることが重要です。


その2. 継続的なバックアップができない可能性

 

クラウドストレージの場合、ユーザが手動でファイルをクラウドへ上げる必要があります。どのファイルを、どの程度の頻度で”バックアップ”するかはユーザ任せになります。マメな人は編集したごとにクラウドへアップするかもしれませんし、そうでない人は全くしないかもしれません。

 

特にパソコンのバックアップの場合、バックアップしたいデータは頻繁に更新される可能性があります。更新のたびにストレージへ上げることは現実的ではありませんし、ユーザの生産性を下げてしまいます。

 

優れたバックアップサービスであれば、ユーザが手を煩わせる必要はありません。手動アップロードなどは必要なく、全て自動でバックアップされます。
また集中管理が可能なものなら、管理者がバックアップ対象を指定することができます。


その3.  ファイルが削除される危険性

クラウドストレージの「同期」は便利ですが、ファイル削除の危険をはらんでいます。

そのフォルダを共有している他の人が、アプリからうっかり「ローカルにあるフォルダへファイルを移動させる」つもりで、クラウドから削除してしまう可能性もあります。(サービスによっては、削除したファイルも復元できる可能性があります。30日以内など期限が決まっている可能性もあるので、サービスごとに確認する必要があります)

またうっかり上書きしてしまう可能性もあります。
上書きに関しても、サービスによってはバージョン管理を行っているので、復元することは可能です。

上記の危険性を理解し、使用しているストレージは削除したデータを復元できるのか、どのように復元できるのか、バージョン管理は何代まで保存されているのかなどを確認する必要があります。


その4. 負荷と容量の圧迫

ローカルにもファイルを置いて、さらにバックアップのためにストレージアプリを使用しているとします。
その場合、ローカルの分とストレージに保存されている分と、2重で負荷と容量を圧迫します。
ローカルで作業していても、負荷がかかり、業務が思う通り進まない可能性があります。


その5. セキュリティ

前述の通り、ストレージとバックアップでは目的が違います。
ストレージは共有場所、バックアップは保管場所です。

では具体的に、この目的の違いがどのようにセキュリティに影響してくるのでしょうか。

まずは「誰がデータにアクセスできるか」です。

ストレージであれば、容易に社外の人とファイルをやりとりできます。
営業資料や共同制作物のための素材などの場合、非常に便利です。
ですが、顧客情報や会計情報などの場合はどうでしょう。
最近のストレージには、共有リンクを無効にしたり、社外の人とファイルをやりとりできなくする機能が付いています。しかし、それだとストレージの目的である「業務の効率化」を果たすことができません。

次に「暗号鍵」です。

バックアップサービスの中には、クラウドを用いる場合でも、ローカルに暗号鍵を保存するものがあります。この場合、クラウドベンダーであっても、ローカルに保存された暗号鍵にアクセスできないため、企業の保存したデータを閲覧することはできません。

ですがストレージの場合は、「共有」するために、暗号鍵をストレージ側に保存しています。結果、クラウドベンダーであれば企業の保存したデータを閲覧することができます。
(つまりスノーデンが暴いたように、政府が市民のデータにアクセスできる環境が整えられているということですが‥そこをどの程度懸念するかは企業によるかと思います。なお、dropbox などは、政府の求めにどの程度応じたか、などのレポートを出しています。2016年6月20日の dropbox ブログ参照(英文)


最後に

その1 でも見たように、ストレージとバックアップは目的が違います。

無理にストレージをバックアップとして使用する場合、ストレージの目的である「業務効率化」が損なわれ、バックアップ自体も不完全に終わる可能性があります。

もちろん、バックアップをストレージとして使うこともお勧めできません。この2つの特性や目的を理解し、使い分けることで「業務効率化」と「業務の継続」を実現することができます。

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