こんにちは、BackStore です。
厳しい寒波がなかなか落ち着きませんが、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、「なんでクラウドにバックアップを取る必要があるの?」についてです。
なお、クラウドバックアップについては、その必要性と同じくらい、「ストレージをバックアップ代わりにできないの?」という疑問が投げかけられます(経験上)。
そちらについては、このブログの2016年8月25日「【今更聞けない】クラウドストレージがバックアップとして使用できない理由5つ」をご確認ください。
その1. どういう背景でクラウドにバックアップを取るの?
バックアップであれば、当然安価な NAS を購入した方が安く済むわけです。では、なぜ多くの企業がクラウドにバックアップを取るのでしょうか。会社によって理由は様々ですが、主なものは下記の5つです。
・ランサムウェア対策
・BCP 対策
・管理、運用の手間削減
・拡張性の確保
各項目については、その5で詳しく記述します。
その2. クラウドバックアップはどういうところに特に向いてるの?
・データを絶対に消失させたくない
・持ち出しの多い機器もバックアップしたい
・バックアップ専任担当者がいない
社内バックアップは、後述するようにランサムウェアや災害、バックアップ機器の故障などからデータを守れません(自社でバックアップアプライアンスサーバを構築し、データセンター並みの設備を備えている会社はまた別です)。
また、例えば営業がパソコンをバックアップするために一々社外から VPN をつないで社内サーバへバックアップを取ることは、業務の中断すなわち生産性の低下につながります。
そもそも、すべての営業が定期的にちゃんと VPN につないでバックアップする、ということ自体、考えにくいでしょう。だからと言って HDD に手動バックアップでは、継続性は確保できません。さらにその HDD を社外へ持って行った際に盗難・紛失が起きたら、ただバックアップデータを失うだけでなく、情報流出につながりかねません。
専任担当者がいない状況で、バックアップ機器の運用や入れ替え、拡張、保守を行うのは手間です。本来の業務に手が回らなくなる可能性がありますし、人件費も嵩みます。
上記のような会社には、特にクラウドバックアップが向いていると言えるでしょう。
その3.クラウドバックアップが向かない会社は?
・データを外に出せない
・データが消えても良いので、コストを抑えたい
上記の会社には向きません。プライベート構築か、NAS などへのバックアップが望ましいです。
その4. クラウドバックアップにデメリットはある?
クラウドバックアップすべてに共通のデメリットは、特にありません。
ですが、サービスによっては下記のデメリットがあります。
・セキュリティ不安
・ストレージコスト
・帯域の圧迫
・機器への負荷
・セキュリティ不安
これを払拭するためには、そのデータが保管されるデータセンターは信頼性が高いか、サービス側でデータと通信を自動で暗号化するか、データへアクセスできるのが誰か、このあたりが明確になっている必要があります。
よく「クラウドは流出する!」と不安になる企業様もいらっしゃいますが、すべてのクラウドにそういう危険があるわけではありませんし、社内においておけば絶対安心というわけでもありません。なお、クラウドバックアップのセキュリティ及び BackStore のセキュリティについては、このブログの2016年10月13日「【クラウドへのバックアップって安全?】バックアップ編」をご確認ください。
・ストレージコスト
ハイレベルな重複排除機能を用いておらず、かつストレージ容量での課金の場合、必要以上に費用がかかる可能性があります。この状況を回避するためには、どのような重複排除機能を搭載しているか、どこの容量で課金されるかを確認する必要があります。
なお、BackStore はブロック単位重複排除を搭載してはおりますが、バックアップ対象に選択したファイルの容量に準じてプランを決定します。
・帯域の圧迫
遠隔地のクラウドへデータを転送するため、帯域の圧迫は大きな懸念となります。その場合、上記と同じく、どのような重複排除を行うか、設定で制限することは可能かを確認する必要があります。
なお、BackStore は前述した通りブロック単位重複排除で、クラウドへ転送する容量を最低限にしています。また、バックアップに使用する帯域の制限も可能です。
・機器への負荷
バックアップを使用していると、機器が重くなって業務に支障をきたす…ということがあります。ユーザのパソコンやサーバの生産性を下げるバックアップは、推奨されるべきではありません。生産性が下がったことによる機会損失などは無論です。加えて、特にパソコンの場合、こういうバックアップはユーザがオフにしてしまい、結局バックアップが取れていなかった、ということがあります。
事前にテストを行い、実際の運用と同じように試用してみるのが良いでしょう。
その5. クラウドバックアップ導入の背景詳細
<ランサムウェア対策>
昨年大流行し、今年も衰える気配のないランサムウェア対策には、NAS や HDD、ファイルサーバは不適切です。
ランサムウェアは、感染した筐体と物理的に接続された、あるいは同一ネットワーク上にある筐体のデータ全てを暗号化します。そのため、NAS などにとっていたバックアップデータもすべて暗号化されてしまうのです。
クラウドやバックアップアプライアンスサーバであれば、ランサムウェアがアクセス権限を奪取することができないため、暗号化されることはありません。
ランサムウェア対策については、合わせて BackStore HP 内の「ランサムウェア対策」ページをご参照ください。
<BCP 対策>
災害やパンデミックなど不測の事態に備えるためには、「社外の強固なデータセンター」に構築され、かつ「必要であればどこからでもアクセスできる」クラウド環境が最適です。
BCP 対策というと、よく「このビルが倒壊するほどの地震があったら、業務継続どころではない」とおっしゃる企業様もいらっしゃいます。ですが、 NAS やファイルサーバが壊れるためにビルが倒壊する必要はありません。強い揺れや停電、スプリンクラー誤作動なども故障の原因となります。
BCP 対策のためには、特に担当者様が出社できない場合の復元シナリオなどを策定する必要があります。
<管理、運用の手間削減>
クラウドバックアップなら、機器の管理や運用の手間は必要ありません。たいていのクラウドサービスには Web 管理コンソールがありますので、各機器のバックアップ状況も、一括で管理・閲覧できます。わざわざ現場に出向く必要はほとんどありません。
データセンターを契約して定期的にメンテナンスを行ったり、社内に置いてサーバのための環境を整えたり、社員がちゃんと各々の HDD を管理しているかを確認する作業は全て不要になります。
<拡張性の確保>
企業のデータは日々増えていきます。特に成長著しい企業では、バックアップデータもすぐに膨大な数に上ってしまう可能性があります。クラウドバックアップであれば、ベンダーに連絡するだけで増量が完了します。管理者が手を煩わせる必要はほとんどありません。
まとめ
以上のように、クラウドバックアップは様々なリスクからデータを守り、バックアップ業務を効率化し、人的コストを軽減します。
ですが、そのメリットを感じない企業様には、クラウドバックアップは向きません。また上記に当てはまるとしても、多数あるクラウドバックアップの中で最適なサービスはそれぞれに異なります。
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