
何か重要な操作を行う前にスナップショットを取得することはよくある事です。
あるいは環境やソフトウェアバージョンごとにスナップショットを保持するなど、一つの仮想マシンのスナップショットを何十個も取得しているような場合もあるかもしれません。
スナップショットさえあればバックアップは不要ではないかと思われる場合もあるかもしれません。
しかしながら、スナップショットは一時的なものとして用いるべきであり、決して「バックアップ」として用いるべきものではありません。
なぜスナップショットが「バックアップ」にならないのかを説明していきます。

「スナップショット」という言葉が指し示すものは、ハイパーバイザのスナップショットであったり
ストレージの機能のスナップショットであったり、あるいはLVMスナップショットだったりと実際には様々ですが、共通する特徴として以下の点が挙げられます。
スナップショットの特徴 – メリット
- ・短時間で取得することができる
- ・実際にデータのコピーは行わない
- ・スナップショットの取得時以降、変更のあった内容だけが別の領域に記録されるようになる
スナップショットはデータのコピーではなく、言い換えれば変更ログを作成するイメージに近いものです。そのために短時間で作成することが可能です。また、データをコピーするわけではないので、スナップショットを作成したからといってディスク消費量が2倍になったりすることもありません。
スナップショットの特徴 – デメリット
スナップショットには上記のようなすばらしく便利な特徴がありますが、一方で注意しなければならない特徴もあります。
- ・元データや過去のスナップショットが必要
- ・ディスクが壊れたらすべてのデータを失う
- ・VMwareのスナップショットでは時間の経過によってパフォーマンスが低下する場合がある
スナップショットは作成以後の変更を別の領域に保存します。つまり、変更されていないデータの読み込み時には、元のデータ領域を参照しています。このため、元データや過去スナップショットが失われた場合、現在のデータの読み込みも復旧もできなくなります。
繰り返しとなりますが、スナップショットはデータの複製は行いませんので、過去の操作時点に復帰する事はできても、データ喪失に対する対策にはなりません。したがって、スナップショットの取得のみを行うことはデータ可用性の向上には繋がりません。
スナップショット機能を有効に活用するには
スナップショットの利点を生かし弱点をなくすためには、
- ・スナップショットの利用は一時的なものに留める
- ・スナップショットをもとに別のストレージへのバックアップを作成する
という方法をとる事が望ましいです。
BackStore by CrashPlanのエンジン変更を行ったBackStoreでは、Windows/Mac/Linux のディスクレベルのバックアップに対応しています。バックアップ取得時にはまずスナップショットを取得し、このスナップショットをもとにクラウドへのバックアップ(実データのコピー)を行い、バックアップの完了後にスナップショットの削除を行います。(WindowsとMacではファイルレベルのバックアップでもスナップショットが利用可能です)
このような流れのために、ディスク全体をクラウドにバックアップするといった比較的時間のかかる処理(データ量によって数十時間にも及ぶ)の最中に、たとえバックアップ開始から完了までの間に新しい書き込みがあったとしてもスナップショット取得時点の状態で整合性を保ったバックアップの取得が可能です。
そしてもちろんクラウドバックアップですので、ローカルサイトで障害が発生してサーバやディスク破損が発生し元データが破損してしまった場合でも、クラウドからのデータ復旧が可能となります。
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