オンプレバックアップ VS クラウドバックアップ、自社に最適なのは?

こんにちは、BackStore です。

オンプレとクラウド、どちらが自社に適しているのかわからない…という企業は多いかと思います。今回は、オンプレとクラウドのバックアップのメリット / デメリットを整理し、どのような会社にはクラウド / オンプレが最適かを改めて考えたいと思います。
どちらが絶対的に良い / 悪いというものではありません。双方の特徴を理解し、自社に最適なものを選択することが重要です。

 

その1. オンプレバックアップのメリット

・速度
LAN 内にバックアップサーバを持つことができるため、バックアップと復元速度に期待ができます。

・ランニングコストを抑える
運用によっては、クラウドバックアップよりもランニングコストを抑えることができます。

・自社で構成やセキュリティ要件、場所を決められる
全てを自分たちで管理する必要がある場合は、オンプレバックアップを選択するべきでしょう。なお、「なんとなくそうしたい」ではなく、「データ規則で求められている」などの明確な動機があることが望ましいです。

 

その2. クラウドバックアップのメリット

・様々なリスク対策に有効
遠隔地の堅牢なデータセンターにバックアップするため、BCP 対策やランサムウェア対策に有効です。また、クラウドなのでどこからも安全に接続できるため、他拠点の機器も一括で保護できます。

・人件費や初期投資を抑え、会計処理を簡易に
初期投資を抑えることができます。また、運用や構築にかかる人的コストや設備費も大幅に削減します。
さらに、固定資産を計上する必要がありません。会計処理も簡易です。

・拡張性がある
データが当初の予想よりも増加した場合も、HDD の追加や煩雑な対応は不要です。サービス事業者に契約容量の増加を依頼すれば、それだけで 100GB から 100TB への増量も可能です。

 

その3. オンプレバックアップのデメリット

・対応できるリスクが限定的
社内にサーバがある場合、火災や停電などの際、オリジナルデータと共にバックアップデータが全て消失する危険があります。
また、ランサムウェアに感染する恐れのある PC と同一 LAN 内にある場合、バックアップサーバ内のデータもランサムウェアに暗号化される恐れがあります。

・ダウンタイムの長期化
バックアップデータへの接続は LAN からのみ可能な場合、復元操作が可能な範囲が制限され、有事の際のダウンタイムが長期化します。
また、復元作業を限られた人しかできない、あるいは高い IT 知識が必要な仕組みの場合、さらに注意が必要です。災害やパンデミックで担当者が出社できない、運用を依頼している会社と連絡が取れない場合、復元できません

・隠れたコストと会計リスク
構築や運用にかかる人件費、あるいは保守代、電気代、OS費用、データセンターに置くのであればラック代、HDD など、サーバ代やソフトウェア代以外に様々な費用がかかります。
また会計処理も煩雑です。リースを組み、一見初期投資を分散できたように見えたとしても、手数料で総額が高くなったり、途中解約できないリスクがあります。さらにサーバを固定資産として計上する場合、企業の  ROA(総資本利益率)に影響がある恐れがあります。

※ ROA(総資本利益率)… 総資産に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す収益性の指標

・拡張性
当初の計画以上にバックアップデータが増加した場合、オンプレのサーバでは拡張性が限定的です。HDD を追加するなど煩雑な作業を行ったり、ラックを追加で借りたとしても、事業の成長に伴うデータ増加に即時対応は難しいでしょう。

・統合管理ができない
拠点が複数ある場合、拠点ごとにバックアップサーバを立てる必要があります。バックアップが拠点任せになり、会社のポリシーに沿った保護ができない可能性があります。また、IT 担当者のいない拠点ではバックアップがそもそも行えないか、従業員の重い負担になるなどのリスクも考えられます。

 

その4. クラウドバックアップのデメリット

・速度
WAN を越えるため、バックアップと復元が遅くなる場合があります。
社内のサーバに一度バックアップを取り、そこから適宜クラウドへ同期していく仕組みであれば、速度の問題を解決しながらクラウドバックアップを行うことが可能です。

・ランニングコストがかかる
たいていのクラウドバックアップは月額費用(あるいは年額費用)がかかります。
(人件費など見えづらいコストを含まず)単純にソフトウェア代とサーバ代で比較した場合、クラウドバックアップの方が総額として高額になる可能性があります。

・どこに保管するかなどを管理できず、セキュリティも事業者任せ
どのようにセキュリティを担保しているか、どのような機能があるかなどを事前に把握することが重要です。特にクラウド事業者やサービス提供者がデータを閲覧できるようなサービスは選択するべきではありません。

 

その3. こういう企業はこちらの方がいい

事業の規模や予算は勿論ですが、理想的なのは「バックアップで何を実現したいか」「何が企業にとってリスクか」によって、オンプレかクラウド化を選択することです。

オンプレバックアップに最適な企業:

煩雑な構築や運用をこなせる人材が揃っていて業務の冗長化も可能、あるいは運用委託企業がいて全て任せられる

・初期費用をかけても、ランニングコストをかけたくない

・今後データの増加がないと確実に予想できる

・災害やランサムウェアなどでデータが消えても事業を継続できる

・他に保護するべき拠点がない

・データ規則などで社外にデータを保管できない

 

クラウドバックアップに最適な企業:

・クラウドバックアップにかける人件費や煩雑な作業を削減したい

・今後もデータの増加が見込まれる

・データが事業に欠かせず、あらゆるリスクから保護する必要がある

・保護するべき拠点が多い

 

その4. クラウドバックアップ選択の際の注意点

上記で「うちはクラウドの方が良いかも」と思われた方、クラウドバックアップを選択する際に気をつけるべき事項があります。

まずは事業を行なっている会社の「信頼性」です。その会社が今までクラウド内のデータを流出させたり消失させたことがあるかは把握する必要があります。

また、「どこにデータを保存するか」も重要です。そのデータセンターの大まかな場所(都道府県)と、冗長化をしているかどうか、データ可用性のデータや耐震性などのデータがあるかには気をつけるべきです。

上記は必須ですが、それ以外にも、機能性や使い勝手、自社の要求に合うかどうかを見ていく必要があります。

なお、「クラウドバックアップは怖い!」と思われている方は、こちらの記事も合わせてご参照ください。(「クラウドバックアップは怖くない?よくある思い込みと実際のメリット」)

 

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